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「エヴェレスト神々の山嶺」←ネタバレ

原作は夢枕獏さんの「神々の山嶺」 映画版タイトルは「エヴェレスト」で、本題は副題みたいになってますね。作品は10年以上まえに刊行されたものです。原作は未読です。Amazonレビューを読んだだけです(すみません)

映像は素晴らしかったです。
なにしろネパール大地震が発生した同月(4月)上旬まで撮影していて、後日撮影しようと思っていた場所が雪崩でやられてしまったというアクシデントをのりこえての大作ですし。僅かながら、大地震でやられてしまうまえのカトマンズを見ることができます。
それと美しくも神々しい山々が見れます。素晴らしいですよ。
ものすごい雪深いのに、ラストに挑むエヴェレストの南西壁は雪が積もらない岸壁って感じでした。ほとんど垂直だし、強風だし、落石あるし。この描かれ方を見て思いだしたのは、コミック「岳」 三歩くん。
三歩くんが登ったのはローツェの南壁でしたけど、描写は同じ感じ。
「岳」でみたかったかも…(こら)

以下、ネタバレ含んだ感想です。

見終わったときに浮かんだ感想は「……これって…ファンタジー?」でした。
もしくは、オカルト?
原作もそうなってんのかな。原作は小説だから、極限の中で不思議な感覚に襲われた。とか、そんなふうに書かれたらすんなり受け入れてしまいそうですけども映像だとそうはいかなかったなぁ。心の友みたいになってんのも解せなかった。

とりあえず、あらすじを書こうかと思ったんですが、だらだらになっちゃうので簡単にまとめてしまうと、山岳写真家と登山家の話です。それだけです。深町は男の写真を撮りたいと思い、羽生はエヴェレストに登りたいと思う。もひとつあった。深町はスクープを手に入れたい欲があるので「遭難した登山家ジョージ・マロリーの遺体から登頂した証拠になるカメラフィルムを回収しよう」と思っている。
このジョージ・マロニーはエヴェレストに登ろうという人たちの間では超有名な登山家。なぜ山にのぼるのかと問われて「そこに山があるから」と答えた人です(この台詞だけは知ってた/実は誤訳。直訳だとエベレスト)
「なぜエベレストにのぼるのか」「そこにそれがあるから」
まあ「山」のほうがカッコいいので、この映画でも「山」になってる。
映画では簡単な説明が入ります。
そして羽生は「俺は、俺がここにいるから」とかいってました。
いま思うと、暗示的な台詞だな。
ほんとに「そこにいる人」になってしまったし…。

写真家の深町と登山家の羽生に振りまわされる女性として「待つ女」がいるんですけど、登山家に惚れた女なら共感できるのかもしんない。私はできませんでしたけど。いや、なんか…そうだなぁ…
登山の魅力が伝わってこなかったせいだ。
苛酷さしか伝わってこない。
だから「……そんなにつらいなら登らなきゃいいじゃん」なんて思っちゃう。
登山は生半可な気持ちでやっちゃいけないくらい苛酷なもの。それは確かだけど、それでいて、なんの訓練も受けてなさそうなふつうの女性がエヴェレストのキャンプ場まで登ってきちゃってるのに、すごい違和感が…。え、そんな簡単にここまでなら来れちゃうものなの?って思った。ちょっと軽装にも見えたし。

比較するもんじゃないけども、
映画「岳」では、山の景色が美しく、山頂から見える景色のために登っているんだなというのがわかったし。そのまえに見た「剱岳」も、雲海の美しさに息をのんだ。
この映画にも絶景はある。
でも、なんだろう。感動がない。景色はすごくきれい(何度も書いてるけど)
でもそれは色鮮やかな景色ではなくて、白と黒の世界。
男たちは疲れきっている。苛酷な撮影だったんだろうなと思った。
でも、それだけ。

ひとことでいって、つまらなかった。眠くなった。寝た。ああ…、もったいない。
なんかすごくもったいない。
あんなに壮大な景色なのに…!

原作にいる重要人物には違いないんだろうけど、個人的に「待つ女」はもっと出番少なくてもよかったのにと思った。彼女がいるから物語が散漫になって、男同士の心のつながりのようなものがよくわかんない感じになっちゃったなぁと。
山に向かって「どれだけ大切な人を奪えば気がすむのよ!」って叫ぶシーンがあるんだけど、……山はただそこにあるだけでしょうに。と、思ってしまいました。
羽生がなぜ遭難したのかもわからない(天候が変わったせいだろうけど) 写真家の深町がどんなふうにしてその遺体に辿りついたのかもわからない。そもそも南西壁にふたりで挑んで、落石とか強風とかで踏み外して落ちかけて、深町はそこで撤退することにして降りるんだけど、この壁…降りるほうが大変なんじゃないの?と思った。それとも羽生が深町かかえて降ろしてくれたの? それとも上にいっちゃえば、なだらかな下山ルートがあったりすんのかな。
落石とか雪崩とか強風とかのほかに落雷も脅威だというのは「岳」で読んだけど。
羽生を探すために南西壁に再び向かう深町。
でも途中が省かれているので、わりと簡単に羽生を見つけたように見えたんだけど、かといって遺体を抱えて連れ帰るわけにもいかないし、遺品も回収しない(なんでだ) ただ「魂を連れ帰る」といって「ここにこい」って叫ぶんだけど。下山しようっていうんだけど。羽生はついていかないんじゃないかと思っちゃったよ。だってまるで山の神にでもなったような姿でしたし。
ジョージ・マロニーの遺体も近くにあって(実際、遺体は発見されている)
登頂したか否か、登頂したなら初登頂なのに証がなくて、いまだに結論は出てません。と、劇中の説明でもいってましたけど。

残念な映画でした。

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