「インサイダーズ 内部者たち」←ネタバレ

韓国映画です。イ・ビョンホン好きな母と鑑賞しました。近場でやってなかったから大変でした。近場でやってない映画が結構あるんですよね。あまり気にしてなかったけど韓国映画なんてほんとにやってない(需要ないわけじゃないと思うんだけどな)
キャストは、イ・ビョンホン チョ・スンウ ペク・ユンシク

暴力でのし上がった男 すべてを暴こうとする検事 政界と財界を操る策士
---最後に笑うのは誰だ。

インサイダーとか内部者とかいうとインサイダー取引が浮かぶので、てっきり株取引が関係する内容なのかと勘違いしてました。原題は「Inside Men」 韓国の同名Webコミック原作。巨悪に立ち向かう若き検事とチンピラの話です。
えげつない暴力と性接待の描写をみながら、日本にも昔はこういう映画あったよなぁと思った(伊丹さんとか) なんでいまの日本はこういう映画をつくれないんだろう。骨太の。男くさい。わかりやすい。とても痛快な映画。
半沢直樹がそうだったのかな。
この映画は暴力と性描写があるため「R15+」指定です。

以下、超ネタバレ。


イ・ビョンホン演じるアン・サングはチンピラだけど可愛げのある男で、手下たちに慕われています。兄貴分のガンヒを無条件に信頼し、ガンヒのために尽くす犬ころみたいな可愛らしさもある。最初の登場シーンではスーツをびしっと着こなしたいつものイ・ビョンホンなので、それなりのステータスをもった男にしか見えないんですけど、実はただのチンピラという役柄。
長髪にして無精髭をはやして崩れた姿勢でいると、ほんとにチンピラにしか見えない。暴力的だけど、どこか抜けていて。兄貴分のガンヒに疑いももたずに懐いてるのもそうだし、暴力シーンでも簡単に敵に背を向けて後頭部を殴られます。

韓国のいいまわしで「後頭部を殴る」というのは「いい顔をしておいて裏切る」という意味を含んでいるんですけど、これはもうただ「後頭部を殴られて」気絶するという黄金パターンのようでした(コントの)
そんなわけで、ふっと笑っちゃうシーンもあります。愛すべき男で、魅力的でした。

チョ・スンウ演じるウ・ジャンフン検事は(字幕では「ウ検事」だったけど) 元警官でもともと正義の側にたつ人間でした。警察では高学歴でないと上を目指すことができないので見切りをつけ、死ぬ気になって勉強しまくって検事になった叩き上げだけど、検事になったらなったで今度はコネと後ろ盾がないから出世ができないという現実を知り、一発逆転を狙います。

ペク・ユンシク演じるガンヒは、大手新聞社の論説主幹という立場を利用して、財閥とマスコミを巧みに動かし有力大統領候補を次期大統領にする企みに興じている男です。この財閥からの裏金献金ファイルをアン・サングが「脅しに使えるでしょ!兄貴♪」と尻尾振って持ってきたので、それに乗るふりをして弟分のアン・サングを罠に嵌めます(つまりアン・サングはガンヒに散々いいように使われていたのに、実質的に何をしていたのか知らなかったんでしょうね)
手首をなくすほどの怖ろしい目に遭いながら生きのびたアン・サング。だけど、ウ検事から話を聞くまで、兄貴分のガンヒのことは疑いもしてなかったという懐きっぷりが、ほんとに可愛かったです。裏切られたとわかったときの顔つきも。
財閥から次期大統領候補へと流れている裏金の捜査を打ち切られて中枢から外されてしまったウ検事は、このチンピラと手を組んで巨悪を暴こうとします。性接待をしている絶対的な証拠と、消された裏金献金ファイルを再び手に入れようとする。ファイルを手に入れておいてコピーもとらなかったというのか!とアン・サングに詰めよったりする。そこまで間抜けなのかと(笑) そこまで間抜けじゃなくて、ちゃんと堂々と隠し持ってたわけですけど。
ガンヒの裏切りを知っても、アン・サングの怒りはそれほどじゃなかった。
けれど、ウ検事に手をかして、逮捕されることを承知のうえでマスコミに裏金献金ファイルを公表する。でも、ただのチンピラの言葉は信じてもらえない。策士ガンヒは、すぐに手をまわして、アン・サングの過去についてあることないことをマスコミを使って記事にして、そのファイルの信ぴょう性を大衆に疑わせる。アン・サングは詐欺師。暴力と性的虐待をしてきた男というふうに。
それはいかにも「大衆などいくらでも動かせる」というペンの力を体現する行為です。

アン・サングが怒りを抱いたのは、自分のそばで自分に手をかしてくれていた元アイドルグループの女が殺されたことをテレビニュースを通じて知ったときでした。復讐しようとしているアン・サングに「このまま逃げない?」と持ちかけた女です。汚れた仕事をしていたけど、どこか清らかな感じがして、好感のもてる役柄でした。役者さんもよかったのかも。「モルディブに行ってモヒートを飲みましょう」という台詞が光りました。というのも、それを聞いたアン・サングが「モヒートにいってモルディブ飲もうぜ」とラストにいうからです(かわいいでしょう/笑) 笑うところですよ^^

ここから先は、ウ検事が、アン・サングを裏切って寝返ったように見える演出の先にどんでん返しがあって、巨悪を暴くことに成功するわけです。痛快ですよ。でも「チンピラの言葉は誰も信じない。けれど、検事だったらどうだ」というアン・サングのつぶやきが、韓国社会をあらわしているようで暗然とした気持ちになりました。
まぁ、どこの国も同じでしょうけども(肩書に弱い)

半沢直樹を見たくなりました(まだ未視聴)

よく考えてみると首をかしげる展開もあるんですけども、尺とか考えたら、うまくまとまっていてほんとに面白かったです。いい映画を見たというよりも「痛快だったね」という感想でした。もやもやが残らないです。
もやったのは、
「モヒートってどこだ。日本か」
「やめてくれ」
「中国か」
というラストのやりとりかな。
あと韓国の儒教精神を知らないと「兄と弟」という義兄弟のつながりとかピンとこないかも。年上のアン・サングに年上の対する言葉遣いをしないウ検事とか(チンピラに敬語を使うやつがあるかとかいってたけど) チンピラのアン・サングがそれだけのことでウ検事のことを「礼儀のなってないやつだ」というところとか。アン・サングがウ検事の父親(自分より明らかに年上)には比較的丁寧な言葉遣いをしていることとか。年下のウ検事に対しては遠慮なく汚い言葉を遣いまくってるところとか。

それから個人的な感覚なんですけど、
私は韓国ドラマや映画のなかの女の子の喋り方が好きではなくて、なんでこんなに嫌いなんだろうと思っていたら、どうも語尾がのびてたり、そのときの表情や口元だったり、語尾に余分な擬音みたいなのがくっついていたりするのが耳障りみたいです。あと舌打ちもね。そこまで聴いてるわけじゃないのにな。うちの母はちょっと聴いただけで中国語と韓国語の違いがわかってましたけど(私にはわからん) だからたぶん歴史ものだったら不快感ないのかもしんない(おそらく日本と同じく、いいまわしが古風だろうし)

暴力的でえげつない性接待の描写があったり、リアルな効果音で下品だったりもしたけど、いろんな意味で、面白い映画でした。

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