FC2ブログ

「永遠の0」←ネタバレ

原作は読んでません。父がみたがっていたので親といっしょにみにいきました。うちの親は劇中の「清子」くらいの世代です。戦争にいったじいちゃんの娘くらい。でも戦中の話を親からあまり聞かされていません。戦争にいった人は戦時中のことを語りたがらないのです。だから劇中で、真相をつきとめられるまで口を閉ざしていたじいちゃんの気持ちがうっすらわかりました。心のなかに某かを抱えながら何事もなかったかのように過ごしている。それが戦争にいった人たちの日常です。くりかえされる言葉として「そして今ここにいる」というのがあったんですが、今ここにいることのできなかった人たちを思いはせることは、心に痛いことだったんだろうと感じされられました。

零戦といえば「風立ちぬ」もそうでしたが、零戦が出てくると「戦争を賛美している」と思われるものなんでしょうか。この映画をみていて感じたのは、戦争は「狂気の沙汰」でした。賛美もしてなければ、むごさを強調してもいない。淡々とした語りで構成されている。そこに謎解きが重なっているので、2時間半が短く感じられるほど中身の濃い映画になってました。

以下、あらすじに触れます。

まず舞台は2004年。物語を紐解いていくのは孫世代(姉と弟) 祖母の葬儀のときに「自分たちの母親には特攻で戦死した実の父親がいる」ことを知って、自分たちにとっては「実の祖父」にあたるその男(宮部久蔵)がどういった人物だったのか探っていく過程で、特攻で戦死した男であるにも関わらず「臆病者」といわれていたじいさんが、なぜ「死にたくない」といっていたのか、幾人もの人たちに話を聞くことでその理由を知り。だったらなぜ「特攻を選んだのか」という謎が浮かんでくる。必ず帰ってくると妻子にいっていた男が、自ら帰らないことを選んだ。その理由は、劇中では、はっきりと語られないままだったけど。
パイロットとしての腕はよくて、だからこそ高みから戦況を把握することができた。国のために死んでこそ。という風潮のあった時代に、なんとしてでも命を惜しみ、自分の死を悲しむであろう家族のためにも少しでも生きる努力をする。またそれを教官として生徒に。戦友として仲間に伝えようとする。最初は軽蔑されても、やがてそれが伝わっていく(伝わらなかった人たちには「臆病者」としか思えなかったんだろうけど)
私は、井崎が、宮部の怒鳴り声を思い返しながら懸命に泳いだという話を聞いて涙腺崩壊しました。語ったのは橋爪功さんでしたけど、映画のラストでは戦時中の井崎を演じた濱田岳さんが必死に泳いでるシーンがあって、また涙腺が…。というか、やたら泣きましたよ。べつに「泣け」といってる映画ではないのに。ただ「語ってる」だけなのに。
宮部を演じた岡田准一さんがとてもよかったです。
背が低いところが原作と違うだけで、雰囲気は宮部っぽかったとレビューにもありました。出演時間は思ったより短いんですけど、印象に残ります。戦況が悪くなるにつれて面変わりしてしまうんですが、そのシーンの頬のこけ方や、すさんだ目つきが、戦争のおそろしさを象徴していたと思います。特攻を決めたあとは、またすがすがしい表情になっていたので、すさんだ目つきをしていた短いシーンが乖離してる印象も受けたんですけども。
「生きろ」というメッセージが強く伝わってきました。

母も泣き納めしたといってたけど。私もやたら泣いちゃったなぁ。
泳ぐシーンがね…!(そこじゃないだろう!?とつっこまれそうですが)
エピソードやシーンがつながっていく感じがよかった。
とくにラスト近くに流れるシーンの連続と語りの重なりが怒涛のようで、そこに宮部の妻子を決死の覚悟で助け出した景浦(宮部に反発しながらもその生き方に共感していた?いまヤクザの男)のワンシーンがあればもっとスッキリしたのにと思ったけど(つか、待ってた。そのシーンがくるのを/笑) ラストのラストに宮部が特攻しながら口元をゆがませるように笑ったところで「狂気の沙汰」を感じて、ちょっと頭がくらっとしました。
零戦や特攻は美化されていません。
特攻してもそのほとんどが敵艦に近づくことすらできなかったと描写されているし、零戦がすごかったのはパイロットがすごかったからだと説明されてるし。ゼロだ。ミサイルがなんで当たらないんだ。魔法か!?と敵兵にいわれているのは、宮部が凄腕のパイロットだったからで零戦だからではなかったし。
原作ではどうなっているのかわからないけど。
特攻なんて自爆テロと同じじゃないか。と、嗤うのは、原作では「大手新聞記者」だそうだから、そこは協賛に大手新聞社があったから大人の事情で「何も知らない若者」になってたらしい。大手新聞社というのは朝日新聞ですよ(ぶっちゃけ) 特攻とテロの違いは、相手が軍艦か一般市民かだけど、その根底にある思想は同じじゃないかといわれちゃってたっけ。つまり特攻と自爆テロは「狂信」というところが同じだと。
狂信かぁ。
少なくとも宮部は「妻子のために」特攻したんではなかったな。
国のためでもない。
あえていうなら贖罪だったのかもしれない。
ただ、これは、フィクションです。(史実をもとにしたフィクション)
作中の登場人物である宮部がそうだったとしても、特攻隊員がそうだったとは思えない。劇中でも語られていたように「戻ってきたものと戻らなかったものには歴然とした違いがあって、その隔たりは埋められない」んだろう。なにをどう考えていたかなんて、本人にしかわかりませんもんね。

とりあえず、感想。ひとことでいうと「よかった」

久々に「戦火の勇気」をみたくなりました。

空中戦はすごかったです。
飛行機好きには堪らないかもしれない。というところは「風立ちぬ」といっしょ。
関連記事

Pagination

Comment

Post Your Comment

コメント登録フォーム
公開設定

Utility

プロフィール

きいこ

ブログ内検索

全記事(数)表示

全タイトルを表示

月別アーカイブ