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「終戦のエンペラー」

一応、ネタバレになるのかもしれませんが、この映画に興味を抱く人はきっとこの経緯をとっくに知っていて、隠された真実でも、暴かれた真実でもないことに「あ、なんだ。そういうこと」という感想しか抱けないかもしれない内容です(ぶっちゃけた) なのでネタバレというか、知らない人にはネタバレになるのでご注意ください。
(史実ってのはそういうもんだけども)

日本人のプロデューサーによるハリウッド映画です。
この方は、劇中にも登場する関屋宮内次官の孫にあたります。ハリウッドに勤務している日本人。これをハリウッドで制作したことに意味があるのかもしれない。というか日本では、まず作れないと思う。もろもろの事情で。

「この写真に隠された真実とは何か」←くつろいだマッカーサーと直立した天皇のあまりにも有名なツーショット写真。なぜ天皇は戦争責任を問われなかったのかという物語でもあるんですが、主軸はラブストーリーです(ぇ) だってハリウッドだもん…!(笑) 主人公はマッカーサーとともに進駐軍として来日した准将(軍事補佐官フェラーズ) この准将は日本人留学生だった女性と大戦前に恋に落ちて日本にもきたことがあって日本が好きで日本語や日本人の考え方をよく知っている人物だった(実際にいた人物)←だけど日本人留学生は女性ではなくて男性だったので、そこにあったのは友情だった(ほんとはね) それを女性に置き換えたことで純愛ストーリーになっているのです。
その女性。初音映莉子という女優さんが演じているのですが、きれいでした。凛としていて。
終戦直後の東京。大戦で離れ離れになった女性の勤務先は静岡。どちらも空襲で焼け野原になっていました。原爆のことは有名だけど、東京大空襲のことは意外と知られていません。10万人もの人が亡くなったことも。いまだ死臭のただよう瓦礫だらけの貧しい国。進駐軍は侵略者ではなく解放者にならなくてはならない。そのためにできるだけ早く裁かなくてはならない。ということで戦犯探しが始まるわけです。いったい誰が最高司令官で、誰が権力を握っていたのか、もたもたしていたら証言をする人物が片端から自害してしまうかもしれないという中で。天皇の戦争責任について調査をまかされるのが主人公なのでした。
「真珠湾攻撃を命じたのは誰か」ってことです。

映画をみていて「ああ、そうか…」と納得したのは、東京裁判ってあたりまえかもしれないけどアメリカが自国(真珠湾)と自国の兵を傷つけた人物を裁くためのものだったんですね……

ああ。日本本土空襲で検索すると気分が落ちる。なんというか、このアメリカが行った空襲の記録を羅列するだけで、反米意識が高まる気がする。なんで、ここまで。こんなに市民を虐殺したのかと。アメリカ…すごいな…どんだけ弾丸を持ってたんだ……豊富な資源と工業力。勝てるわけがない。

もしこのとき天皇が裁かれていたらどうなっていたのかなぁと、ちょっぴり思い馳せました。この映画でのマッカーサーは天皇に戦争責任かあるかないかではなくて、どうやったらこの統治がうまくいって大統領選で勝つことができるかを考えていたっぽかったです。アメリカが「解放者」となる統治で成功したのは日本だけだったというのも、なんとなく頷ける展開でした。まあ、変わり身の早さと、天皇がいたおかげかな……
マッカーサーの傍らにフェラーズがいてくれた意味はとても大きい。日本人の精神の支柱には天皇がいて、天皇がいたほうが統治がうまくいくと進言したわけだから。

戦後のお話ですが、映画の冒頭では広島に原爆を落とす場面が挿入されているので、そこだけでもうお腹いっぱいな気持ちになりました。そしてなかなか姿を見せない天皇が、映画の終盤でようやく恭しく登場して、数々のしきたりなどすっ飛ばして握手を求めるマッカーサーに応じて握手をし、マッカーサーとふたりだけになったときに、かの有名な言葉を発したとき、ちょっと感動しちゃったのは、やっぱり私が日本人だからなんだろうなぁと思いました。←この有名な言葉は、マッカーサーの回顧録とその場にいた通訳官の証言によるものですが、公式に公開されたものではないし、昭和天皇は生涯それを公言しなかったので、真偽のほどはグレーです。
有名な言葉。要約すると「この戦いの全責任は私にあるのでどのような処分も受け入れる。そのかわり天皇の名のもとに戦った国民を救ってほしい」というものです。当時、国民はとても飢えていたのでGHQが食料をわけてくれなければ餓死してしまうほどだったのだとか。この映画では、すうどんは出てきていたけども(掘っ立て小屋みたいな食堂で) そしてこのシーンで周囲からすすり泣きが…(そういえば高齢の方が多かったけども、高齢とはいえ、この当時はきっとまだ子供だったろうに)

ラブストーリーの結末はどうしようもない悲劇でしたけど。
そういうのも含めてハリウッド映画らしい映画でした。

出演した日本の俳優が豪華だったので、そこは安心してみることができました。


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