This Archive : 20060911

オリバーツイスト

「戦場のピアニスト」のロマン・ポランスキー監督の映画「オリバーツイスト」をDVDでみました。オススメしてもらったので。

ネタバレしているので、これから観ようかと思ってる人は読まないほうがいいですよ。

この映画からは「綺麗なところと醜いところ」「無垢なこどもと残酷なおとな」という、結局のところ「人はひとりでは生きられないんだ」というメッセージを感じるんですが、みる側によって受け取り方が異なりそうな映画です。「戦場のピアニスト」もそうでしたけど、淡々としたているので。哀愁を帯びた顔をしている少年が「きれいなもの」の象徴になっている。哀愁を帯びているがために嗜虐の対象になり、それゆえに護られ、それゆえに幸運を手につかむ。不幸な生い立ちだけど、オリバーは「神に選ばれたこども」だなぁと、わけもなく感じた。だからこそ、わたしは、もうひとりの少年、ドジャーの行く末のほうがずっと気になります。ロンドンまで辿りついて力尽きていたオリバーに声をかけた少年ドジャー。彼の生い立ちも、たぶんオリバーと似たり寄ったりだと思うし。ドジャーがオリバーを連れていった先には、こどもたちが大勢いて、親切に泊まるところと食べるものを与えながら、ものの判別もつかないこどもに悪事を教えこんでいたじいさんがいた。

家出少女に泊まるところと食べるところを与えておいてヤクをうって売春させたりする「善人」のこと思い出したりしてました(実際にあるんですよね。そういうこと。日本でも)

ドジャーはオリバーを仲間に引き入れたかったんだと思うんですけど。無垢でうぶな穢れのない少年だったから。でも、そんな少年だったからこそ、助けたいと思う人たちが現れるという。オリバーは、不幸な少年だけど、その不幸に打ち勝つ「心の清さ」をもった少年だったという。そんな話です。けなげな少年です。信じていれば叶う。という話だったようにも思えます。オリバーは孤児で愛情と優しさに飢えていた。だから少しやさしくされただけで相手に信頼をおく。行き場のないこどもたちを拾っては悪事を教えこんでいた憐れな老人に「親切にしてくれてありがとう」という。この老人に対しては、他のこどもたちも、恨みながらも慕っている。そこが哀れで、物悲しい。ナンシーも良い子だった。でも、あんな不幸はないと思った。ナンシーが、あの悪党に薬を渡すとき、あれは毒なんでないかと思ったのに、ほんとに、ただの薬だったとは…。飲んだとたん「ぐ、ううっ!」とか苦しみだすと思っていたのに、ただの睡眠薬かい、みたいな。なのに…、と。

憎まれっ子世に憚る。何度も命拾いしながらも最後はアレ。あれには「裁き」という言葉が浮かびました。

もうひとつ。老人がやさしい。
というか、老人が多い。
19世紀のロンドンの映像も景色もよかったです。
貧困層の界隈とか。路地という路地に人が溢れていていさかいを起こしている様子とか、ちょっと離れた郊外ののどかな景色とか、夜になると闇になったり、ロンドン橋の霧の様子など。みていて「おお」とか思いました。こういう光陰のつけ方のうまい映像には惹きこまれます。でも感動作品か?といわれると、首をかしげちゃいますけど。

しかし、それにしてもドジャーが気になる。あのあとはやっぱり捕まって更生施設に送りこまれたりしたんだろうか。でも犯罪者として着る物と食べ物を得ていたこどもが、そう簡単に更正できるとは思えない。ひもじい想いをするくらいならとまた同じことをしてしまいそう。いい保護者に恵まれますように。オリバーは安泰だからいいんです。だから、ちょっと、わたし的には「気になる」終わり方だったなぁ。

他の人はどんな感想をもってるんだろう。(検索、検索)
あ。似たり寄ったり(ぇ)
かわいいお顔は得だよね。ともいえるお話だな。たしかに。妙に保護欲をかきたてる少年でしたから、オリバーは。雨にうちふるえる小さな子犬のような…

原作があるのか。読んでみるかなぁ。
気が向いたら、ですけど。
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Category : 映画のこと


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